話は大袈裟じゃないとつまらない
大部分の大阪人は、実に表現がオーバーである。
話を聞いていると「そんなアホな〜」と言いたくなることもしばしばある。うちの
母もご多分にもれず、かなり大袈裟な言い方をすることがある。たとえば、
「昨日、魚食べてたらノドに骨ささってな。とって見てみたらこーんな骨やってん」
と手で再現しているのを見たら、なんと5センチほどもあるではないか!!
ハア?そんな骨ささってたら死ぬっちゅうねん!!
また、人とすれ違ったときにちょっと肩でも当たろうもんなら・・・、
「今日な、道歩いてたら知らん人にドーーンとぶつかられてな。もうお母ちゃん倒れそうになったわ」
嘘つけっちゅうねん。ちょっと肩さわったぐらいやんか。もうあきれるほどの大袈裟オバさんである。まるでヤクザのようだ。よく昔のテレビドラマなんかで、人とぶつかったヤクザが「アイタタタタタッ!!どないしてくれんねん!こら骨折れとるわ」かなんか言って、お金をふんだくる場面があったが、その場面を彷彿とさせるものがある。
まだまだあるぞ。
たとえば近所の人が夫婦喧嘩をして、奥さんがだんなさんに殴られたという事件があったとする。私たちが家に帰るのを待ち構えていて噂話を始める。
「今日、○○さんとこ、すごい夫婦喧嘩やってんで。警察まで来てたわ」
「そうなん」
「かわいそうに奥さん、ご主人に叩かれて、顔3倍ぐらいに腫れ上がってたわ」
でたっ・・・2倍ならわかる。よくそういう表現が使われることも知っている。
そやけど3倍てアンタ、そら宇宙人やんか。
しかし「うそや〜」と否定しようものなら、でっかい声で「ホンマやてっ!!」と逆ギレされるのがオチである。それに、オカンの言うとおり顔が3倍に腫れ上がっている人が、もし「奥さん聞いてよ〜」と元気にグチでもこぼしていたとしたら、学会発表もんである。
でもこれは、うちの母だけに限ったことではない。親戚のおばちゃんたちもみんなそうなのである。そしたらうちの親戚だけか?いや違うはず。おばちゃんを筆頭に大阪の人たちは多かれ少なかれ、こういうオーバーな表現をする人が多いのは間違いない。
しかしそれもこれも、自分の話で相手を楽しませようという大阪人独特のサービス精神からきているものかもしれない。