気前のいいおっちゃん

大阪にはとびきり気前のいい人たちがいる。その人たちはハンパじゃなく気前がいいのである。その気前のいい人たちとはどういう人か?それは中年のおじさんに多い。 しかし普通のサラリーマンでは、さすがにお給料も決まっているし気前よくするわけにはいかない。そんなに気前よくしたら、家に帰ってから奥さんにこっぴどく怒られることだろう。 気の毒だが日本のサラリーマンの家庭における地位は、きわめて低いと言わざるをえない。
気前のいい中年いうのは町の商店のおっちゃんである。
よく『江戸っ子は宵越しの金は持たない』といって、江戸っ子のキップのよさを表す言葉があるが、そんなものは目じゃない。 大阪の商店のおっちゃんがどれほど気前がいいかを聞いたら驚くぞ!!では紹介しよう。
「おっちゃん、このキャベツなんぼ?」(注:なんぼ?=いくら?)
「おう!今日はキャベツは200円や」
「ほな1つちょうだい。」
(千円札を渡す)
「はいお釣り800万円!!」
キャベツのおつりが800万円てーーーーーーっ!!!!!
すごいでしょう!!大阪で買い物したくなったでしょう。
それに大阪の通貨は他府県とはかなり違う・・・。通常ならなら800万円といえば1万円札で800枚あるのだが、ここ大阪では500円玉1コと100円玉が3コ なんだから・・・・・・・・・。

そう・・・・・・大阪のおじさんが、気前がいいというのはウソです。単にこの使い古されたギャグをいまだに使っているのです。
その昔、吉本新喜劇では必ずこのギャグが出たのである。設定は大抵うどん屋かラーメンの屋台。 ふんわか♪ふんわか♪ふんわか♪という聞きなれたオープニングの音楽が流れ、幕が上がって、まず最初に出るのがこのギャグなのである。いわゆる『つかみ』ってやつですね。
「ごっそうさん。なんぼや勘定して」
「おおきに〜。親子丼ときつねうどんで900万円ですぅ」

このギャグに役者たちがズッコケた瞬間に、客席はドッカーーンである。なつかしい・・・。
ひと昔前には商店のあちこちで聞かれたこのギャグも、今ではすっかり使う人も少なくなってしまった。しかし根強く残っているのは確かである。 できることなら保存会でもつくって後世に受け継いでいきたいものだが、時代というのは残酷なものだ。 まさに平家物語、『盛者必衰の理を現す』である。
そんなタイソウなーーーー!!と思われた方々、ホントにその通りですね。
だって私だって、おっちゃんがごくたまにこのギャグを使うと、顔では愛想笑いをしながら、心のなかでは思いっきり
おっちゃん、もうええって!!
と突っ込んでいるのだから・・・。