夕食時の地獄
子供のころ、私は阪神タイガースが大嫌いだった。なぜなら、我が家の夕飯どきが楽しい時間になるか、地獄の時間になるか、
そのカギを握っているのが阪神タイガースだったからだ。
父は大阪人特有のトラキチである。トラキチとはタイガースの熱狂的なファンのことである。
よって、阪神が勝てばニコニコと機嫌がよく、阪神が負ければ不機嫌で、私たち家族のやることなすこと全部が気に入らない。
5分に1回は「チッ!」と舌打ちをする。もしその場にサマ〜ズの三村がいたら、すかさず「舌打ちかよっ!!」と突っ込まれていたに違いない。
しかし、舌打ちぐらいならまだかわいいものだ。私たち子供が他愛のないことでゲラゲラ笑うと、「バカ笑いするな!!」と怒鳴りつける。
おまけに、野球中継を決して黙って見ていられない。
あ〜あ〜あ〜、なんでこんなとこで○○を代打に出すね
ん!!
ほ〜ら見てみぃ三振や!!
「もう、こいつはアカン。はよピッチャー交代させろよ」
「なんでアイツを出さへんねん」
「もっと球をよう見ぃよ!今のはボールやろ!!」
といった具合に、いちいちクチを出す。
ほな、あんたが監督したらええやん!!
三村じゃないけど、思いっきり突っ込んで「さぞかし立派なチームになるでしょう・・・」とイヤミのひとつも言ってやりたくなる。
まあうちの父が特別というわけではなく、阪神ファンであれ、巨人ファンであれ、熱狂的な野球ファンを父に持つ家庭は、
多かれ少なかれこうした被害があったかもしれない。しかしいくら父親が熱狂的でも、巨人ファンやヤクルトファンならまだ救われる。
なぜなら、勝率が5割を超えれば2回に1回は機嫌がいいわけだが、阪神のように弱いチームは3回のうち2回は機嫌が悪い計算になる。
つまり、阪神の試合のある日の3度に2度は地獄を見なければならないからだ。
阪神、弱すぎっ!!
トラキチの父を持つ家庭のためにも、何とか頑張って強くなってほしいものである。子供のころの私のように、決して阪神ファンではないけれど、祈るような気持ちで
応援している子供がいることを忘れないでね!!星野監督!!!!